MENU
トップページへ戻る
掲示板(コミュニティサイト)
プリウスマニア
オーナーリスト


プリウスオーナーリスト
リストを見る
登録する
利用上のご注意
用語辞典等
プリウスwiki
用語一覧
プリウスマニアカルトQQQ
「本日のメモ」
実験室
トップページプリウス技術検討室
 【エンジン】 ポンピングロスを考える
最新のエンジン技術を考えるのに、避けては通れない
ポンピングロスについて、触れたいと思います。

なお、『プリ技研室』の
【エンジン】 アトキンソンサイクルの燃費への効果

【エンジン】 ガソリンエンジンの理解ためのポイント&アトキンソンのカラクリ

を読まれていない方は、そちらを先にご参照ください。
参照されてからのほうが、以下、楽しめると思います。

最初のリンク先のプリウスの燃費向上効果の2番目で、
エンジン動作域の制御というものがありました。
これ、エンジンの効率のよいところだけで、運転させる
最適燃費制御(エンジンパワー制御)というものらしいです。
トヨタHP
http://www.toyota.co.jp/jp/tech/environment/ths2/seigyo1.html


ここで、エンジンの効率のよいところってどういう状態?と思った方…
今回はそこに踏み込みます。

上のトヨタHPの図を見ても、何故、燃費率(効率)の良いところと悪いところがあるのでしょう。

◆ポンピングロスってなに?
自動車用エンジンは、ドライバの要求によって出力をその時々で変更できることが必要です。
実際、普通の車では最大出力を出すケースは稀で、ほとんどの場合、数10%までしかエンジンの性能を使っていません(部分負荷領域と言います)
例えば、平坦路の50km/h 一定速度維持なら数馬力程度で済んでしまいます。

それでは、ガソリンエンジンの場合、どうやって出力を意図的に絞ったりするのでしょう。
通常、それはスロットルを用いて吸い込む混合気の量を減らすことで実現しています。
ガソリンエンジンは理論空燃比の縛りがあるので、噴射する燃料だけを減らすとかできないのですね。

ということで、スロットルを閉じ気味にすることでて、空気が通る道を狭くし、空気が通りにくくなり、吸入空気量が減ります…。

!ピンときた人、正解です。

エンジンはピストンが下降する際に、開いている吸気バルブから空気を吸い込むポンプの仕事をします。
部分負荷領域では、吸入空気が通りにくい状態であるにも関わらず、そこから無理に空気を吸入しようとします。そのため、エンジンが無駄な仕事を担います。これがポンピングロスです。
(注射器でピストンを引いて空気を吸い込むときに、先の穴径が大きいときと、小さいときを想像してください)


つまり、スロットルが閉まり気味であるほど、ポンピングロスが大きくなり、無駄なエネルギー消費があり、非効率となります。
(ちなみに、空気の通りにくさは、吸入空気の圧力低下として観測され、それは吸気圧計で量ることができます。)

厳密には、ポンピングロスは空気の流体としての性質もあり、エンジンの回転数の影響も受けますが、だいたい上記の傾向になります。

ポンピングロスの増加はエネルギー変換効率の低下となり、
1ccの燃料から有効利用できるエネルギーが減ってしまう(その分、余分な燃料消費が必要になる)ことになります。

ですからメーカーはポンピングロスの低減に躍起になります。

◆ポンピングロス低減の技術動向
ガソリンエンジンでは、この吸気負圧から生じるポンピングロスをどうやって軽減するかが、最近10年の課題でした。
リーンバーンがあり、直噴があり、バルブトロニックがあり・・・

それぞれ、メリットとともにデメリットもあり、技術的に廃れていったものもありますね。
(直噴は当初、リーンバーン(希薄燃焼)を狙ったものでしたが、最近はストイキ(理論空燃比燃焼)を狙ったものにトレンドが移ってきています)

プリウスの場合は、他とアプローチが異なりますね。
車両に比べ、やや小さめのエンジンを搭載し、エンジンを動かすときは、スロットルが開き気味になり、ポンピングロスを最小化するように自動制御される。
駆動力とエンジンが切り離されているので、余剰分をバッテリに蓄えておくことができると・・・

ちなみに、ディーゼルエンジンには、ポンピングロスってないんですよ。
なぜなら、ディーゼルエンジンはまず理論空燃比の縛りがない。(空気はたくさん吸い込んで、燃料だけ少なくすることができる)
なので、ディーゼルエンジンにはまずスロットルというものがない。(燃料噴射量のみ調節する機構)
それで、ポンピングロスがないんですね。

ですからTHSにディーゼルを組み合わせるのは、ポンピングロスの低減という同じ効果を狙った2つの技術を用いることとなり、必ずしも上手くは行かない。

またトヨタ新型エンジンZR系の2.0L(3ZR)に採用されるバルブマチックもポンピングロスを低減することを主体としたものです。
ガソリンエンジンからスロットル機構をなくすことができる反面、カム機構系が複雑となり、重量増、摩擦損失の増大になります。
必ずしもTHSと高い相乗効果が得られるわけではないと思っています。