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オイルの話・・・まずは粘度の話
エンジンオイルの話です。
【前置き】
エンジンオイルについては、銘柄、粘度、添加剤など、
興味や意見のある人が多いですよね。
一応、オイルに関する個々の経験談、体験談は排し、
今回は、工学、理論、実験で確認されている事象、データのみ
を扱いたいと思います。
(これらのデータは個々の経験、現象を検証するものではありませんし、否定するものでもありません。『なるほど、こういうデータもあるのか』と、参考にしていただければ幸いです)
■そもそも潤滑とは・・・
エンジンオイルの役割としては、
「潤滑」「冷却」「密封」「洗浄」「防錆」
のようなものがあります。
中でも、気になるのが、「潤滑」効果で、
摩擦・磨耗をどれだけ防げるのかが気になりますよね。
潤滑の種類としては、
・流体摩擦・・・金属同士の間に十分な厚さの流体が存在する状態
・混合摩擦・・・境界摩擦と流体摩擦が混合している状態
・境界摩擦・・・金属同士の間に表面吸着したオイルの分子しかない状態
・乾燥摩擦・・・金属同士が直接接触している状態、エンジンとしては避けるべき
があります。
さて、では、
流体、混合、境界
の各摩擦は、どういう要因で分けられるのでしょうか。
それは、以下のように
(粘度×すべり速度)/面圧
で整理することができます。
(粘度×すべり速度)/面圧
が小さくなると、混合摩擦、境界摩擦に変わっていきます。
これは、
摩擦部位の速度が遅いと、油膜が薄くなる
摩擦部位の面圧が高いと、油膜が薄くなる
ことによります。
例えば、エンジン内で高速で回転する(すべり速度の高い)
クランク部は、流体摩擦
となります。
一方、クランクの1/2の回転数となり、また面圧も高い
カム部(動弁部)は混合摩擦
になりやすい部分です。
このように潤滑状態を分けた上で、摩擦損失低減(燃費の向上)を考えると
(1)流体潤滑域では、オイルの低粘度化
(2)混合潤滑域では、オイルの低摩擦化(摩擦低減剤)
がそれぞれ必要ということになります。
(各番号は、上記グラフ中の矢印の番号と対応しています)
■エンジン内の各摩擦損失
それでは、エンジンの中では、どの部位でどれだけの摩擦損失(機械摩擦損失)が発生しているのでしょう?
以下は、自動車のエンジン関係の本で結構紹介される資料です。
これを見ると、
・高回転ほど、クランク、ピストン系の摩擦損失が増大する
・一方、高回転ほど、動弁系の摩擦損失が小さくなる
ということがわかります。
プリウスで用いるような低回転域においては、
相対的に動弁系の割合が大きい。ただし、ピストン、クランク系のほうがより大きい
と言えます。
(なお、ポンプ損失というのは、オイルポンプ等の損失ではなく、吸排気のポンピングロスのことを指しています)
■オイル粘度と燃費
今までの資料から、
流体摩擦では、オイルの低粘度化が摩擦損失低減に寄与し、また流体摩擦の部位がエンジンの全摩擦損失のかなりの割合を占める
ということがわかります。
では、実際にオイル粘度と燃費の関係はどうなのでしょう?
低粘度すぎても、燃費は向上せず、にHTHS粘度@150℃で、2.6ぐらいが良さそうです。
では、SAE規格のオイルで、HTHS粘度@150℃ 2.6 ってどれくらいの規格なのでしょう・・・
実は
粘度指数:20
なんですね。
ですから、0W-20というオイルはこれらの資料からすれば、おそらく、今現在もっとも燃費に良さそうな粘度に思えます。
▼ この記事へのコメント ▼
点検で5W−30を入れられてしまいました(涙;
それまでは、念押ししていて0W−20ですよって、安心していたんですが・・・
殿お勧めの0W−40はどうなんでしょう?
難しいことは判りませんが(汗)、0W-20が理論的にいいってことですね(^.^)
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エンジンオイルについては、銘柄、粘度、添加剤など、
興味や意見のある人が多いですよね。
一応、オイルに関する個々の経験談、体験談は排し、
今回は、工学、理論、実験で確認されている事象、データのみを扱いたいと思います。
(これらのデータは個々の経験、現象を検証するものではありませんし、否定するものでもありません。『なるほど、こういうデータもあるのか』と、参考にしていただければ幸いです)
■そもそも潤滑とは・・・
エンジンオイルの役割としては、
「潤滑」「冷却」「密封」「洗浄」「防錆」
のようなものがあります。
中でも、気になるのが、「潤滑」効果で、
摩擦・磨耗をどれだけ防げるのかが気になりますよね。
潤滑の種類としては、
・流体摩擦・・・金属同士の間に十分な厚さの流体が存在する状態
・混合摩擦・・・境界摩擦と流体摩擦が混合している状態
・境界摩擦・・・金属同士の間に表面吸着したオイルの分子しかない状態
・乾燥摩擦・・・金属同士が直接接触している状態、エンジンとしては避けるべき
があります。
さて、では、流体、混合、境界の各摩擦は、どういう要因で分けられるのでしょうか。
それは、以下のように
(粘度×すべり速度)/面圧で整理することができます。
(粘度×すべり速度)/面圧が小さくなると、混合摩擦、境界摩擦に変わっていきます。
これは、
摩擦部位の速度が遅いと、油膜が薄くなる
摩擦部位の面圧が高いと、油膜が薄くなる
ことによります。
例えば、エンジン内で高速で回転する(すべり速度の高い)クランク部は、流体摩擦となります。
一方、クランクの1/2の回転数となり、また面圧も高いカム部(動弁部)は混合摩擦になりやすい部分です。
このように潤滑状態を分けた上で、摩擦損失低減(燃費の向上)を考えると
(1)流体潤滑域では、オイルの低粘度化
(2)混合潤滑域では、オイルの低摩擦化(摩擦低減剤)
がそれぞれ必要ということになります。
(各番号は、上記グラフ中の矢印の番号と対応しています)
■エンジン内の各摩擦損失
それでは、エンジンの中では、どの部位でどれだけの摩擦損失(機械摩擦損失)が発生しているのでしょう?
以下は、自動車のエンジン関係の本で結構紹介される資料です。
これを見ると、
・高回転ほど、クランク、ピストン系の摩擦損失が増大する
・一方、高回転ほど、動弁系の摩擦損失が小さくなる
ということがわかります。
プリウスで用いるような低回転域においては、
相対的に動弁系の割合が大きい。ただし、ピストン、クランク系のほうがより大きい
と言えます。
(なお、ポンプ損失というのは、オイルポンプ等の損失ではなく、吸排気のポンピングロスのことを指しています)
■オイル粘度と燃費
今までの資料から、
流体摩擦では、オイルの低粘度化が摩擦損失低減に寄与し、また流体摩擦の部位がエンジンの全摩擦損失のかなりの割合を占める
ということがわかります。
では、実際にオイル粘度と燃費の関係はどうなのでしょう?
低粘度すぎても、燃費は向上せず、にHTHS粘度@150℃で、2.6ぐらいが良さそうです。
では、SAE規格のオイルで、HTHS粘度@150℃ 2.6 ってどれくらいの規格なのでしょう・・・
実は粘度指数:20 なんですね。
ですから、0W-20というオイルはこれらの資料からすれば、おそらく、今現在もっとも燃費に良さそうな粘度に思えます。
それまでは、念押ししていて0W−20ですよって、安心していたんですが・・・