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本物の空力のスペシャリストがSNSにいらっしゃる中、
なかなかこの話題に触れるのは気が引けるのですが、 いつかはプリウスの空力設計について触れたいと思っていました。 ただ、空力のデザインはなかなか詳細な資料はなく、 各メーカーにおける秘匿事項のようです。 私が知る中で、最も詳細な資料としては、 自動車技術会 学会誌 Vol57 No.4(2003)に掲載されている ホンダのインサイトの空力設計に関する論文があります。 ですから、今回はインサイトの資料をリファレンスとして プリウスの設計を見ていきたいと思います。 また画像による説明が必須となりますので、 2回(もしくは3回)に分けての掲載とします。 ◆インサイトの空力設計ポイント インサイトでは1/4の空力スタディモデルを作成し、 350回のテストを経て、Cd値の低減を実施しました。 (Cd値は空気抵抗係数で、これが小さいほど空気抵抗が小さくなります。 プリウス(20型)で0.26、インサイトで0.25です) 大きくCd値の低減に寄与したのは ・Narrowing the Body :車両後方の絞込み(リアトレッド狭幅化) であり、また ・Optimaization of the Height and RoofEnd:全高とルーフエンドの最適化 ・Adjustment of A-pillar Shape :Aピラー形状の調節 も効果があることが分かります。 意外にも、Seting the Rear Side Skirt:リアスパッツの装着 の効果はそんなには大きくないようです。 なお、モデルCd値は0.2を下回っていますから 実際の車両の値と違いがありますね。 ◆フロント部分の設計 論文では、 ボディ前面では、動圧(流れのエネルギー)を静圧に変換しないことがポイント
と書かれています。インサイトでの前面圧力分布はグリル部に高い圧力がかかっているのが分かります。 (冷却上、ラジエータに空気を送らないといけないので当然ですね) また、グリル部以外では、非常に圧力が低いのが分かります。 論文では、バンパのR部の形状最適化によるCd値の低減効果が示されています。 パンパの絞り角は(インサイトでは)10°が最適という検討結果です。 一応、プリウスの形状で見ると、このバンパ絞り角は15°ぐらいのようです。 (ただし、この部分だけで最適形状が決まるわけではないので、 プリウスでも10°が最適とは限りません。 むしろプリウスもCAE解析・風洞実験の結果、15°ぐらいが最適となった可能性があります) 現在、マニアの間でエンジンルームに入る空気量を制限し、温度低下を防ぐ目的で グリル塞ぎがありますが、板で開口部を塞いでも依然、断面形状としては凹形状となっています。 ですから、ここには高い圧力がかかっており、ここでの損失はそれなりにありそうです。 ただし、仮にスムージングをして平面に近づけても、やはり静圧がかかることに変わりはありません。 空力実験車や新幹線N700系のように長い凸形状にできればいいかもしれませんが・・・ それはさすがに難しいですね(^^: ボディ後面については、また次回以降で・・・ (って、これがあんまり好評でなければやめときますが・・・) ▼ この記事へのコメント ▼
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