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空力設計(Cd値低減)について (その2)
前回(
「空力設計(Cd値低減)について (その1)」
)
に引き続き、空力設計についてです。
前回は主に車両前部の空力について触れました。
今回は車両後部について触れたいと思います。
◆リア部分の空力設計
プリウスでもインサイトでも、その車両形状で特徴的なのは
ルーフ・リアウィンドウがなだらかに傾斜です。
この角度、プリウスもインサイトもだいたい同じ角度になっています。
私は、それぞれHPの車両外形図から角度をひろっていますが
だいたい12°〜14°ぐらい
かと思います。
前トピックの論文によれば
ボディ後部では、ルーフにかかる静圧を回復させることがポイント
と記載されています。
インサイトではルーフ傾斜角度を変えたデータはありませんが、
ルーフエンドの高さを変えて実験した場合のデータがあります。
このデータによると、ルーフエンド高さは1050mmが最もCd値としてよく、
この高さから高くしても、低くしても、Cd値が悪化することが示されています。
(7.5cm、高くすると、Cd値が約0.013 悪化する・・・
インサイトのCd値が0.25なので、この約5%というと結構な変化ですね)
ルーフエンドの高さで何が変わるかというと、結局はルーフ傾斜角です。
このルーフ傾斜角のCd値に及ぼす影響については
「朝倉書店刊:自動車のデザインと空力技術」に記載があります。
グラフを見ると、ルーフ傾斜角15°のところで、
Cd値が小さくなっていることが分かります。
また、ボディ中央付近からなだらかに傾斜させることが有効ともなっています。
最大で直方体形状に比べ、20%低減となっています。
また、ルーフ傾斜角が25°くらいを超えたあたりから発散的に
Cd値が悪化しているのが分かります。
これは、
後引き渦(Trailing Vortex)が発生・成長
するものと思われます。
その他実験を踏まえると、
ルーフ傾斜角で12〜15°ぐらいが好ましい
と
前出の解説書には書いてあります。
燃費・空力を追求してボディ形状をデザインすれば、
おのずとあのルーフの傾斜にならざるを得ないのですね。
また、ワゴンボディやミニバンなど、リアが切り立った形状だと、なかなか空力としては厳しいのですね。
(前出のグラフ参照)
◆リアトレッドのナロー化(狭幅化)
前トピックに最初で示した、インサイトの実験データで
最も効果が高かったのは、リアトレッドのナロー化でした。
その実験データは
フロントトレッドに対して、
リアトレッドを110mm狭くする
ことで、
リアに行くほどボディ形状を絞り込み、
Cd値を0.02 低減
できるとなっています。
この低減効果は凄いですね。
ただし、その分、スペース効率等は犠牲になるわけですが・・・
プリウスの形状図を見ると・・・幅方向のなだらかな絞込みはないですね。
(前トピック参照)
以下は、インサイトの後面圧力分布で、
シビック3ドアと比較したものです。
こうみると、
Minimized Wake Area:ウェイクの最小化
が効果が大きいことが分かりますが、
これに寄与しているのがリアトレッドのナロー化とのことです。
最後に、空力でおなじみの 流速線図では、ルーフの前部では発生していた静圧が、後端部分では回復しているのが分かります。
空力は、本格的なCAEや設備がないと定量的に扱えず、
効果が計れないので難しいのですが、
プリウスの形状のポイントとなるルーフ傾斜角だけでも、その役割がわかりますよね。
▼ この記事へのコメント ▼
さん、こんばんは。
これまた、興味深い情報満載で。感謝感謝で〜す(^^)/^
ご存知でしょうが、わたしテールエンドに変なもの付けてます(^^;
ウイングでCD値はどれくらい悪くなるでしょうかぁ…
インサイトの例で、7.5cmのテールエンド高さの変化で0.013ですから、ドラッグを含めるともっと悪くなりそうな…(^^;
0.03の悪化くらいかな?
百式プリさん、どう思われますか?
▼
さん、こんばんは。
GTウィングの影響ですよね。
私は「空気の流れが見える男」じゃないんで、さっぱり見当がつきません(^^;
ただ、トヨタのオーリスとブレイドといった兄弟車であっても、
ちょっとのボディ形状の違いで、Cd値はそれぞれ
オーリス:0.29
ブレイド:0.32
と結構変わってしまいます。
(あのハッチバック形状で0.29を達成しているオーリスが凄いともいえますが・・・)
ボディ後端付近での渦の形成は、空気抵抗になりますから、
GTウィング装着で、Cd値は結構悪化しそうですね。
でも、ルーフ形状で、なだらかな静圧の回復ができてますから、
ざっと勘で、0.02〜0.03 ぐらいの悪化でしょうか・・・(根拠なしですが)
10thオフで拝見させていただきましたが、PRINSさんのGTウィング、結構寝た角度で搭載されていましたよね。
いつも大変勉強になります。
これからも、空力の話を沢山して下さい。
百式プリさん、こんばんは。
コメントありがとうございます(^^)/^
そうですよね、空気の流れは見えませんものね(^^;
ウイングはかなり寝かせています。
ほんとの「飾りもの」です。
そのお陰か、空気抵抗でリアスポイラーごと、飛んでいってしまう心配は不要のようです(^^)
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に引き続き、空力設計についてです。
前回は主に車両前部の空力について触れました。
今回は車両後部について触れたいと思います。
◆リア部分の空力設計
プリウスでもインサイトでも、その車両形状で特徴的なのは
ルーフ・リアウィンドウがなだらかに傾斜です。
この角度、プリウスもインサイトもだいたい同じ角度になっています。
私は、それぞれHPの車両外形図から角度をひろっていますが
だいたい12°〜14°ぐらいかと思います。
前トピックの論文によれば
インサイトではルーフ傾斜角度を変えたデータはありませんが、
ルーフエンドの高さを変えて実験した場合のデータがあります。
このデータによると、ルーフエンド高さは1050mmが最もCd値としてよく、
この高さから高くしても、低くしても、Cd値が悪化することが示されています。
(7.5cm、高くすると、Cd値が約0.013 悪化する・・・
インサイトのCd値が0.25なので、この約5%というと結構な変化ですね)
ルーフエンドの高さで何が変わるかというと、結局はルーフ傾斜角です。
このルーフ傾斜角のCd値に及ぼす影響については
「朝倉書店刊:自動車のデザインと空力技術」に記載があります。
グラフを見ると、ルーフ傾斜角15°のところで、
Cd値が小さくなっていることが分かります。
また、ボディ中央付近からなだらかに傾斜させることが有効ともなっています。
最大で直方体形状に比べ、20%低減となっています。
また、ルーフ傾斜角が25°くらいを超えたあたりから発散的に
Cd値が悪化しているのが分かります。
これは、後引き渦(Trailing Vortex)が発生・成長するものと思われます。
その他実験を踏まえると、ルーフ傾斜角で12〜15°ぐらいが好ましいと
前出の解説書には書いてあります。
燃費・空力を追求してボディ形状をデザインすれば、
おのずとあのルーフの傾斜にならざるを得ないのですね。
また、ワゴンボディやミニバンなど、リアが切り立った形状だと、なかなか空力としては厳しいのですね。
(前出のグラフ参照)
◆リアトレッドのナロー化(狭幅化)
前トピックに最初で示した、インサイトの実験データで
最も効果が高かったのは、リアトレッドのナロー化でした。
その実験データは
フロントトレッドに対して、リアトレッドを110mm狭くすることで、
リアに行くほどボディ形状を絞り込み、
Cd値を0.02 低減できるとなっています。
この低減効果は凄いですね。
ただし、その分、スペース効率等は犠牲になるわけですが・・・
プリウスの形状図を見ると・・・幅方向のなだらかな絞込みはないですね。
(前トピック参照)
以下は、インサイトの後面圧力分布で、
シビック3ドアと比較したものです。
こうみると、Minimized Wake Area:ウェイクの最小化
が効果が大きいことが分かりますが、
これに寄与しているのがリアトレッドのナロー化とのことです。
最後に、空力でおなじみの 流速線図では、ルーフの前部では発生していた静圧が、後端部分では回復しているのが分かります。
空力は、本格的なCAEや設備がないと定量的に扱えず、
効果が計れないので難しいのですが、
プリウスの形状のポイントとなるルーフ傾斜角だけでも、その役割がわかりますよね。
これまた、興味深い情報満載で。感謝感謝で〜す(^^)/^
ご存知でしょうが、わたしテールエンドに変なもの付けてます(^^;
ウイングでCD値はどれくらい悪くなるでしょうかぁ…
インサイトの例で、7.5cmのテールエンド高さの変化で0.013ですから、ドラッグを含めるともっと悪くなりそうな…(^^;
0.03の悪化くらいかな?
百式プリさん、どう思われますか?
GTウィングの影響ですよね。
私は「空気の流れが見える男」じゃないんで、さっぱり見当がつきません(^^;
ただ、トヨタのオーリスとブレイドといった兄弟車であっても、
ちょっとのボディ形状の違いで、Cd値はそれぞれ
オーリス:0.29
ブレイド:0.32
と結構変わってしまいます。
(あのハッチバック形状で0.29を達成しているオーリスが凄いともいえますが・・・)
ボディ後端付近での渦の形成は、空気抵抗になりますから、
GTウィング装着で、Cd値は結構悪化しそうですね。
でも、ルーフ形状で、なだらかな静圧の回復ができてますから、
ざっと勘で、0.02〜0.03 ぐらいの悪化でしょうか・・・(根拠なしですが)
10thオフで拝見させていただきましたが、PRINSさんのGTウィング、結構寝た角度で搭載されていましたよね。
これからも、空力の話を沢山して下さい。
コメントありがとうございます(^^)/^
そうですよね、空気の流れは見えませんものね(^^;
ウイングはかなり寝かせています。
ほんとの「飾りもの」です。
そのお陰か、空気抵抗でリアスポイラーごと、飛んでいってしまう心配は不要のようです(^^)